思念体ふわふわ

思念体(精神的な内側のひと)のおはなしをしています。

無意識との対話

以下引用です。

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[ユングの手紙(『書簡集』第一巻、四五八-四六〇頁)][この手紙は一九四七年の四月、ロンドンに住むO氏の質問に対する返信です。]
[「無意識との対話(auseinandersetzung mit dem unbewusst)」をおやりなさい。
これは能動的想像法の助けを借りて自分との対話をやり遂げることです。
これは無意識の無法な働きを鎮めるのに、私の知っているなかで最も有効的な方法です。]

『能動的想像法――内なる魂との対話』(active imagination)
著者:J.M.シュピーゲルマン、河合 隼雄
訳者:町沢 静夫、森 文彦
発行:㈱創元社

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「無意識との対話(auseinandersetzung mit dem unbewusst)」の意味を調べてみました。
※auseinandersetzung:論争・対決・処遇・抗争・悶着・格闘
※mit:対(一対一などの意味の対)
※dem:(中性単数与格)
※unbewusst:うっかり・不知不識・思わず・無意識的

ドイツ語的な意味では、その人格めいた無意識との対決、っていう意味合いみたいですね。「無意識の無法な働き」とあるように困難のある状況では、無意識とは対話より、対決の方がしっくりくるのでしょう。そうでない場合は対話というニュアンスが近い感じみたいです。

自己の中に直接問いかけることで、無意識による症状の表出や苦しみ等の問題を探り、解決しようとするという姿勢を感じます。

能動的想像法

『能動的想像法――内なる魂との対話』(active imagination)
著者:J.M.シュピーゲルマン、河合 隼雄
訳者:町沢 静夫、森 文彦
発行:㈱創元社

前回の『心理療法序説』(河合 隼雄)を読んでみて、引っかかった「能動的想像法」を掘り下げてみようと、そのまま検索したらその題で本があったんですね。びっくり。

 

読んでみると、能動的想像法(無意識との対話方法)のやり方、注意点、関連する過去の著作や宗教の紹介、これは心理学か芸術(?学術的領域を逸脱するという意味かな?)か議論、などなど気になる内容が目についた印象です。とはいえ、結構現代で体験的に話されている内容と合致するので目新しくはないです。時代が追い付いたのかしら(*・ω・*)

 

こちらの本は現在絶版になっているようでして、心理学なのにオカルティックなので、当時では受け入れられにくかったのかなあと思います。

発端は、ユングが行った内的イメージを利用した精神の自己治癒過程を背景にしています。この理論(能動的想像法の産物)を総括して「神話心理学(psychometry thology)」として提唱したそうです。ユングの当時は受け入れられなかったけど、今なら!って出したみたいですが、まだまだ革新的すぎたのかもしれません。今なら、いろんな内的世界への考え方(心の成長とか、マインドフルネス、インナーチャイルド、ヨガetc(これくらいしか知らないや、すみません!))がわたしたち一般に広まってきているので、この内容が認められる時代がくるかもしれませんね。

 

肝心なこの方法の目的は、現実に生きている人の心の健康をよくするために考えられたようです。見たイメージ全体や話した対象すべてを、人間の精神のために分析して、課題を見つけて取り除いたり、精神的な困難を自覚することでやわらげたりするみたいです。なお、主体のための方法であって、そのイメージや対象はあくまで分析対象というクールなスタンスです。

なので、思念体の類との大きな違いは、個体を重視しないことかなって思いました。でも参考にはなりそうです。

マイルストーン
★個に重きをおかない以外の点で、思念体の参考にできる要素が多いのではないかな?
★こういうことをしていたら精神病になるのでは? の不安要素を取り除けるのでは?
★能動的想像法を活用すると自己治癒に使える……内的世界を探るのに近しい存在である思念体への応用が利くかも? 分析を共同作業として活用できるかも?

ちゃんと紹介したいけど、著作や宗教の部分の孫引きを避けるなら一から入手しないとなので正直掘り下げに苦労しそうです。それ以外のやり方などはこの本単独で書いてあるのでちょちょっと書いていこうと思います。