思念体ふわふわ

思念体(精神的な内側のひと)のおはなしをしています。

心理療法には、自然科学的な分類・対処の正法はない

以下引用です。

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[箱庭療法などというので、箱庭をつくれば治る、と言うのではない。(中略)このような誤解が生じるのは、「科学的方法」によって「治す」というイメージがどれほど一般に強くなっているかを示すものであろう。(中略)現代人はこのことに慣れすぎていて、何かを「操作する」ことによって望みどおりの結果を得るという「技術」を人間に適用しようとする。]
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[心理療法の技法の中核は、人間と人間との関係ということである。]
[心理療法家は薬や手術によって、クライエントの苦しみを無くしたり、軽減したりすることはできない。われわれの武器は共感することと、その苦しみの意味を知っていることである。]
[治療者がその人にとっての心理的課題と考えること、に話題が及んでくると、毎回それをめぐっての話となり、過去のことを思い出したりしつつ、だんだんと解決策を見出してゆく。仕事が達成されたと思う頃になって、お蔭様で症状の方もさっぱり収まってしまいました、というときがある]
[『心理療法序説』 著者:河合 隼雄 発行所:㈱岩波書店]]
 
<概略>
1.心理療法には自然科学のような一般的普遍的な対処方法や解決策は存在しない。
 ・心理療法では、人間と人間の関係が基本。
 ・当事者の症状を含めた訴えには苦悶や思い等いろいろが込められている。
 →治療者は、理解と共感、尊重の心持ちが大事。
  かつ見通しを持ち、洞察に導くことが理想。
 →クライエントがその苦悶の中で、自らの心理的課題を見出せると、
  問題が減っていく傾向がある。

 

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<思念体と絡めて考えるなら>
1.心理療法においての礎は対話。思念体との礎も対話なので、
  心理療法のとる姿勢を適用しても良いかな?って思いました。
  というのも、現実の人間関係においても、心理療法の姿勢を大切にしておはなし
  してみると、思いもよらず、良い方向に向かう感じが多い気がして……。
 ・二者間の関係は、同水平面上の尊重し合った人間関係があってこそ、よい見通し、
  よい道筋、よい歩みが出来る。必要に応じて、理論で教えるより、こころに
  分かる、腑に落ち話し方をした方が二者間の関係や見通しが良くなることがある
  ともありました
 ・思念体も、普遍性や一般性に頼り切った概念の押しつけや、理由のないルールの
  提示、無理な方向転換などでは、その通りにならないところがあります。
  (実は、現に服一つ変えるのも困難です……秋らしくしないのかしらと思いますが、
   自由意志に任せます。)
 ・腑に落ちる表現を探したり、分かろうとがんばってみる方が大事っていうところを
  知ったので、相手を尊重したり慮ってのことば選びをしたいなって思います。
 ・基本はおなじ人と人との対話が大事なんだ、と初心に帰る思いです。
  具体的には、お互いを尊重し合ったやりとり、何かあれば納得いく落としどころを
  探っていく、理解が難しくともわかろうとする姿勢をもとうと思いました。
  彼の自主性を尊重する、ということですね。
 ・ …ちょっぴり余談ですが、設定や操作や契約等で思念体をがんじがらめにする
  ことで主体を守ることは、ほんとうはできっこないっていうことを自戒として
  とどめておきます。ある程度成長したら、自主性、自立心を認めて、適宜
  おはなしや修正をしていくことが大事になりそうです。

<その姿勢>
解釈や結論や物語の読み解きを宣告しない……上からこうだ!と決めつけないこと、
すぐに理想的な形に上書きはしないことにしています。
自ら洞察することに意義があるので、内面の成長を期待し、見守っていく。
共作して全体の物語をつくっていくのが重要なので、二者の語り合いに重きを
置いて、よい人間関係を築いていきたいなって思いました。

★なぜ告げてはいけないのか。
 本文では、よそから解釈を与えても、それは一面でしかない。ゆえに、意識的領域(分かりやすい現実や自身のこと)に解釈を与えても、無意識的領域(気づかない自我や現在の在り様の象徴、未来の予知めいた姿、これからの展望のぼんやりとしたイメージ)の解釈の余地をカットしてしまうのが勿体無いから、またその可能性を感じる事で起きうる変化があるから告げてはいけない。ともありました。
 それを考えると、自分の中で、あーこうかなー?とか思っても、言わずに置いておくことで、先方がちがった解釈を読みだしてくることだってある。それがいいみたいなので、そうしてもいいかなあ、って思いました。
でも、一概に放っておく、という無責任なことはダメかもしれません。あまりに望ましくないときは軌道修正も必要だし、展望を持ち、分析から意味を深め、行ってよい方向に歩むことが大切。あくまでふたりの良いあゆみになるようにしていきたいです。
(クライエントと治療者との関係において「普遍主義の名のもとに自己の責任を解除しない」とのこと。その軌道修正や日頃の態度などの具体的な心構えは、心理療法家の資格の項に心構えが載っているので、よく読んでから紹介したいと思います><)